応募者のインテグリティに頼ることができ、バックグラウンドチェックを行う必要はない。それが理想的な日本の職場だと思います。しかし、現実の職場では、従業員関連の不正行為やリスクが雇用形態や役職に関係なく発生する可能性があります。そのため、バックグラウンドチェックは有益であるだけでなく、不可欠だと考えられています。
この記事では、バックグラウンドチェックを実施することの重要性を検証し、日本の職場に最適なバックグラウンドチェックを構築する方法について説明したいと思います。
バックグラウンドチェックで採用決定を改善
バックグラウンドチェックは、応募要件に合わない人材を採用する落とし穴を避けながら、優秀な応募者を特定し、より優れた情報、スピード、意図を持って採用プロセスを進めるのに役立ちます。
プロフェッショナル・バックグラウンド・スクリーニング・アソシエーション( Professional Background Screening Association )による世界的な調査によると、米国以外の雇用主がバックグラウンド・スクリーニングを推進する主な要因は「改善」であり、61 %がバックグラウンドチェックを実施する最も重要な理由として「雇用の質向上」を選択しています。
バックグラウンドチェックを実施することで、採用決定の質改善に加えて、いくつかのビジネス上の重要な点で日本の雇用主をサポートしています。
例えば:
- 会社や顧客にとって前向きな結果を迅速に生み出すことができる、最も有能で熟練した方を効率的に特定して雇用する。
- 優秀な人材を雇用する前に、候補者が「合っている」ことを確認することで、優秀な人材を維持し、離職率低下につなげる。
- 資格のない人または会社、従業員、および顧客を脅かす可能性のある反社会的勢力と関係のある人によって引き起こされる身体的、財務的、法的、および評判上のリスクを軽減する。
- 厳選されたパフォーマンスの高い方を採用するために必要な特別な配慮を促進することで、ビジネスとそのブランドを差別化する。
リスクを把握
特定の仕事や業界に関連するリスクによって求められるバックグラウンドチェックは、異なる場合があります。
まずは、応募者の応募書類、履歴書、または職務経歴書に記載されている情報を確認するための基本的なバックグラウンドチェックから始めましょう。この基本的なチェックを実施することで、すべての応募者が最低限の採用要件を満たしていることを確認することができます。基本的な調査を実施しなかったことでその職務に適していないかもしれない応募者に時間とお金を浪費している可能性があります。
また、基本的なバックグラウンドチェックを超えて更に調査する必要がある場合があります。その場合は、次の3つのリスクを考慮する必要があります。
- 職務特有のリスク:センシティブな財務情報に直接アクセスできる会計士や、独自技術にアクセスできるデータサイエンティストは、空室のオフィスを掃除する清掃員と比較して、より徹底的な調査が必要になる可能性があります。
- 業界特有のリスク:ヘルスケアや金融サービスなど特定の業界では、従業員が脆弱な集団、機密データ、金融資産などにアクセスできるレベルに基づいてリスクが高まります。また、これらの業界は、特定のバックグラウンドチェックを義務付ける政府機関によって規制されていることがあります。このような理由から、基本的なバックグラウンドチェックに加え、専門的な調査が含まれていることがあります。
英国のDisclosure and Barring Service ( DBS )をモデルにした新しい法律により、日本の保育機関や教育機関は、既存の労働者と新しい候補者について、性犯罪の履歴があるかどうかの確認が今後義務化されます。2024年6月に制定され、2026年(遅くとも)に施行される日本版DBSは、学校やその他の保育機関が性犯罪をチェックするためのシステムを提供し、これらの雇用者のバックグラウンドチェックの範囲を効果的に拡大していくことが予想されます。*
- 組織とその評判への大きな影響:一部の社員は、より広範な組織、そのパフォーマンス、および評判に大きな影響を与えています。これは、ビジネスを徹底的に管理していることが多い、知名度の高い経営幹部やエグゼクティブリーダーに当てはまります。メディア検索やディレクターシップチェックなどの追加のバックグラウンドチェックは、これらのポジションの資格を検証し、整合性を確保するために推奨されます。
「基本的なバックグラウンドチェック」の構築を。
日本における基本的なバックグラウンドチェックの目的は、候補者が提供した情報を検証することです。First Advantageの調査に通常含まれるものは次のとおりです。
- 学歴調査:在籍期間、学位、卒業日、および学部/学科を確認。
- 職歴確認:以前の雇用主に連絡し、応募者の雇用に関する情報(勤務期間、役職名、および退職事由)を確認。
- 反社会的勢力:数十年にわたる記録を含む反社会的勢力の記事のデータベースを検索し、候補者が反社会的組織と関係がないかを確認。
これらの調査では、個人的な意見は求められません。First Advantageの調査担当者は専門的な教育を受けており、人事担当者と話す際にも応募者のプライバシーを侵害しないようスクリプトを使用して、統一した確認結果を得られるようにしています。
業界や募集職種などに応じて、基本的なバックグラウンドチェックにご希望の調査項目を追加することができます。
コンプライアンスをお忘れなく。
日本(および世界中)のバックグラウンドチェックをコンプライアンスに沿って進める上で最大のポイントは、バックグラウンドチェックを行う前に必ず応募者の同意を得ることです。調査フォームの一部としてではなく、現地の言語で記載されており、かつ、実施される可能性のある調査項目を明確に記載した同意書を個別に提供します。
データのプライバシーと保護に関して、個人情報保護法は日本固有のものです。ただし、特に日本国外に居住する候補者や日本国外で働く候補者を雇用する場合、採用および調査プロセスには他の地域の法律や規制が適用される場合があります。
前述の日本版DBSによる保育機関などの犯罪歴確認義務のように業界規制も関連しています。バックグラウンドチェックに関連する適用法およびコンプライアンス規制については、貴社内の法務担当者に相談してください。
知識が豊富で経験豊富なプロバイダーと協力を。
ファーストアドバンテージでは、日本および世界中の雇用主と提携して、ビジネスと応募者に最適なバックグラウンドチェックを作成しています。当社の専門スタッフは、現地の文化や調査プロセスを理解しており、可能な限り最もコンプライアンスに準拠し、かつ完全な応募者情報を確実に入手するお手伝いをいたします。
日本国内の大企業から中小企業まで、次のような理由でFirst Advantageをご利用いただいています。
- 東京オフィスを通じた現地のニーズにあったサービスと、世界17拠点からのグローバルサポート。
- よりスマートな採用とより迅速な候補者のオンボーディングを促進する「候補者第一」のアプローチ。
- 他の顧客との経験に基づく信頼できるバックグラウンドチェックのガイダンス。
- 世界の他の地域で必要とされる幅広いバックグラウンドチェックを備えた、国内外のスクリーニングを可能にするオールインワンソリューション。
- 継続的なプログラム改善を促進する次世代テクノロジー。
- 現地の採用チームとグローバルな応募者に役立つ多言語サポート。
バックグラウンドチェックは、採用プロセスの重要な部分であり、採用の質を向上させ、採用上の重要な利点を提供するのに役立ちます。これを知っていただき、日本の雇用主の皆様にも、すべての応募者に基本的なバックグラウンドチェックを行い、リスク評価を実施する必要性についてご検討下さい。リスクの度合いや採用プロセスのタイミングに合わせて、調査項目を変更することもできます。
First Advantageは、世界中の30,000を超える組織で信頼されているバックグラウンドチェックプロバイダーとして、貴社のビジネスと応募者に最適なバックグラウンドチェックを構築するお手伝いをいたします。よりスマートに採用し、迅速にオンボーディングすることにご興味がございましたら、今すぐお問い合わせください。
*注:この記事は2024年6月に書かれ、最終更新されました。保育機関のための新しい日本版DBS要件の最新情報については、貴社の法務担当にご確認ください。